どうして常連客は優遇されない!?

常連客になるメリットというのは大きい。

ホテルはお得意さんのデーターベースがきちんとなっていて、空いていれば無料で部屋のグレードアップしてくれたり、景色の良いお部屋に移動してくれたり、部屋に入ったら気の利いたお花や飲み物が置いてあったりする。キャンセル料が発生するであろう時でも、特別におまけしてくれたりもするらしい。

飛行機も年間に決まった回数を乗ると、ラウンジが使えたり優先搭乗させてくれたり、お飲み物を聞かれる時も「◯◯さま、ご登場ありがとうございます、お飲み物は如何ですか?」と名前で読んでくれる、悪い気はしないものだ。

なのに、なのにだ!殆んどの美容室では、クーポンなど持参で新規客は2割3割、時には半額ってクーポンを配って、常連のお客さんは「定価」ってとこが目につく。

常連になれば、髪質や好みを分かってくれるからオーダーが楽って事もあるが、それは美容師側も新規のお客さんよりも常連客のほうがデーターが集積されているので施術も楽なものだ。

クーポン持参のお客さんは、スタイリストに成り立ての経験の浅い技術者が当たる場合が多い。上手な人は指名客も多いから、クーポンの3割引きのお客さんをやっている暇がないので、まぁ自然の流れであろう。
しかし新規のお客さんにしてみれば、イマイチな技術を提供されるので満足度が低く、リピートはしないだろう。

「クーポンのお客さんは安いサロンに流れるから固定にならない」という勝手な美容室側のイメージがある。だから新技術者が入ればイイ、どうせリピートならないで1回きりのクーポン客だし…みたいな気持ちがあるように思える。

だから、尚更お客さんにしてみれば、「その技術じゃリピートならんだろう」って思うに違いない。

自分も実際にクーポンを持って、色々なところでお客さんとして髪を切りに行くからよく分かる(スパイとかじゃない(笑))自分のアシスタントがこのシャンプーやブローのレベルなら、お客さんには触らせないだろうなって毎度思うし、カットの技術者もまた然り。

札幌のお店では、新規のお客様はお断りをしていたのだけど、2015年4月からは新規のお客様もWelcomeにしました。しかし、割引はしないで定価のままです。スミマセン(汗;

常連のお客様に関しては、VIP料金として1000円〜2000円の割引をさせて頂きます。もしくは常連のお客様のご紹介も同じく割引対象です!

では、常連の定義は?ってことですが(笑)
「半年以内に3回のご利用で4回目からVIP料金とさせて頂きます。」

長く付き合ってくれる方には、もっと良くしてあげたいって思います♪

だからって初めての人に冷たくするって意味じゃありません(笑)

お客さんは全て同じように接客します。ただ沢山来て頂いた方には感謝の気持ちを込めて少々サービスさせて頂きますm(__)m

僕は、そんな美容師ですm(__)m

安売りは業界を滅ぼす。

職業は理美容師と言うと、よく言われるのが…
「カットって仕入れが無いから、まるまる利益だから儲かるよね〜」とか
酷い時には、
「原価がかかってないのに、なんでカット料金に6000円(銀座は1万円)も取るの?」
なんて、時々聞く。

母も美容師なのだが、僕が子供の頃に、義理の姉妹(僕からすれば叔母)がパーマをかけに来て、母にお金も払わないで帰っていく姿に、それが当たり前なのか…と。パーマ液代の原価が当時数百円だから良いのか?と。

僕が専門学校の授業で、始めて人形の頭相手にパーマを全頭巻いた時に、6時間もかかり。こんなに難しい仕事だから、パーマの料金は高いんだ…って一人で納得していた。

カットの料金は、それぞれサロンや技術者によって違う。その理由は、経験値、勉強に費やす時間、どうしたらお客さんがより良く手入れが楽にキレイな髪になってもらえるかと真剣に考える時間。下積み時代なんて手取り数万円で修行してきた。せめて技術者になってからは陽の目を見ても良いのではと思う。

技術料は、その技術者が今までに技術習得の勉強に費やした「時間」という原価に対して支払われると思う、さらに設備投資費や電気代、固定経費の家賃と給料など。

例えば30年も美容師をやっている人が、過去20年もの間、まったく勉強もせず向上心もなく、ただ来たお客さんをカットし続けてきたのなら、カット1000円でも2000円でもどうでも良い。しかし、自分の仕事に誇りを持ち、何十年美容師をやっていても新しい技術や流行を勉強してお金と時間を常に投資し続けている美容師へは、きちんとした対価を支払わないと、業界が駄目になるし、良い技術が市場に出てこないとお客様にも不利益になるのではないかと思う。

技術者も、自分の歴史の「時間」に対して、堂々とカット1万円ですって言えるような業界になり、人々も技術者の努力に敬意を払って支払えるような構図になって欲しいなと思う。それにはあと何十年もかかるかもしれない。いや、そんな時代は来ないのかもしれない。

調理師も美容師も、下積みが厳しいのに見合った料金が取れない業界ってデザイナーもそうだし、たくさんあるのだろうと思う。

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