【美容師向け】究極のカットテクニック

美容師として長年のキャリアを積んできた私から、これから美容業界で歩みを進めようとしている若手美容師の皆さんへ、カットテクニックのいくつかの重要なポイントを共有したいと思います!

美容師として成功するためには、単に技術を学ぶだけでなく、それをどのように活用するかが重要です。

1. コンサルテーションの重要性

成功するカットは、優れたコンサルテーションから始まります。お客様の希望、生活様式、髪の悩みを深く理解することが、最適なスタイルを提供するための第一歩です。お客様の話に耳を傾け、質問を通じてニーズを引き出しましょう。

お客様に憑依するくらいに、何を求めていて、何に困っているのかを相手の立場になって考える力が必要です。

2. 基本に忠実であること

すべてのカットテクニックの基礎となるのは、正確なセクショニングとコントロールです。基本的なセクション分けをマスターし、髪の毛一本一本をコントロールすることが、洗練されたスタイルを創り出す鍵となります。

スキバサミを多用して、その時だけ収まればいいなんて仕事をしていては駄目だと思います。穴だらけにして「小顔矯正カット」なんていうステップボ〇ンカットではなく、正確にカットラインを作ることが手入れもしやすく長持ちするカットです。

3. 髪の質感を生かす

髪の質感とは、その人の個性の一部です。細い髪、太い髪、カールが強い髪など、様々な髪質を理解し、それぞれの特性を生かしたカットを心がけましょう。テクスチャリングやレイヤリングなどの技術を駆使して、髪質に合わせたスタイルを提案することが重要です。

今は薬剤が進化しているので、テクスチャを変えて行くメテオシリーズのトリートメントや縮毛矯正で自然に柔らかく髪質を変えていくのもありだと思います。

4. 顔の形との調和

顔の形は、カットのスタイルを決定する上で非常に重要な要素です。顔の形に合わせてフレームワークを設計することで、お客様の魅力を最大限に引き出すことができます。例えば、丸い顔には縦のラインを強調するスタイルが適しているなど、顔の形に合わせたアプローチを取りましょう。

縦と横の比率も重要です。黄金比や大和比の比率を考えながら、縦の長さをカットするなど、どうしてそこでカットしたのか説明がつかないと、行き当たりばったりの仕事になってしまいます。

結果には必ず理由があります。

5. ドライカットの活用

ウェットカットが基本であることは間違いありませんが、ドライカットを活用することで、より精密なカットが可能になります。特に最終的な形を整える際にドライカットを取り入れることで、自然な落ち感や動きを創り出すことができます。

時間に余裕がないと、ドライカットまですすめません。料金の安い理美容室は時間との闘いなので、どうしても速さが求められます。10分や15分でカットを終わらせるためには、ドライカットなんてしている暇はないかもしれません。

今後、美容業界の発展を考えるのであれば、きちんとした時間をかけて、正しい仕事をして、きちんとした料金を頂く。スキバサミで誤魔化した仕事をして短時間で仕上げて安い料金で営業をするスタイルは、若手の美容師さんの離職率をあげるだけです。

6. 継続的な練習と学習

技術は一朝一夕に身につくものではありません。日々の練習を通じて、自分の技術を磨き上げることが大切です。また、業界のトレンドや新しい技術に常にアンテナを張り、学び続ける姿勢も重要です。

経験年数が何十年経とうが、講習会に参加して、今の技術やアイデアを吸収しないと、田舎のパーマ屋さんで終わってしまいます。

30年以上美容師をやっていますが、いまだに人形の頭と毛束で練習や実験をする時間を作っています。

7. クリエイティビティの追求

最後に、美容師としてのクリエイティビティを大切にしてください。技術は基本ですが、それをどのように組み合わせ、新しいスタイルを創り出すかが、美容師としての個性を際立たせます。お客様とのコラボレーションを通じて、一緒に新しいスタイルを創り上げることに喜びを感じてください。

さらに、若い20歳代の美容師さんの技術やアイデアも、吸収することがたくさんあります。知ったかぶりをしないで、素直に質問して学んでいくことも忘れてはいけません。

これらは私が長年にわたって実践し、若手美容師の皆さんに伝えたい究極のカットテクニックの一部です。これらのポイントを日々の業務に活かしていただければ幸いです。

美容業界での成功と成長を心から願っています。

どうして縮毛矯正をかけるたびに、毛先が縮れる(ビビり毛になる)のか?

もう20年も前から、ビビり毛で悩むお客様と一緒に、研究と実験を繰り返してきました。

本当に、近年は薬剤の進歩が凄まじく、かなり良い状態まで修復できるようになりました。

基本、傷んだ髪は切り落とすまで直らないというのが常識なので

ビビり毛も1度の施術では直らず、半年〜1年と、時間をかけてゆっくりとジワジワ良い状態をキープし

更に、頭皮の状態も良くして、新しく生えてくる髪も育てて行き、早く新生毛が伸びて、早く毛先の傷んだ髪をカットできる状態にもっていくのが理想かなと思います。

そもそもですが、日本全国の美容師には、きちんと薬剤を勉強して、ビビり毛を作らない仕事をするようになって欲しいです。

特に札幌では、縮毛矯正をかけてから、ゴワゴワ&チリチリな髪に傷んだというお客様が多いように感じられます。

どうしてビビり毛になるのか?

1本の毛の構造が、海苔巻きのようなんですね

カッパ巻きを例に取った場合、

キューティクルは海苔

コルテックスはお米

メデュラはキュウリ

1度、縮毛矯正をかけた髪は、ご飯の部分が半分流出してしまいます。

同じ箇所に、再度、縮毛矯正の薬剤を塗布したら、ご飯の部分は全て流出してしまいます。

海苔巻きのご飯が全部無くなったら、周りの海苔はシワシワになってしまいますね💦

それが、ビビり毛なのです。

特に、リタッチの場合の縮毛矯正は…

地毛が伸びた根本の部分、前回縮毛矯正をかけた部分、前々回縮毛矯正をかけた部分、そこを強さの違う薬剤で塗り分けないといけないのです。

もっと、細かく言えば、全部の髪の長さが30cmあるとします。

根本から10cmが地毛でバージン毛、中間部の10cmが前回矯正をかけた部分、毛先10cmは前々回に矯正をかけた部分。

その髪のダメージに合わせて、3種類の薬剤を作って、塗り分けの作業が必要です。

アルカリも酸性も関係なく、全ての還元剤(パーマ液)を塗布したらビビります。

ビビり毛になる原因

ビビり毛になる原因の一つとして、同じ強さの薬剤で、根本も中間も毛先も、根本から毛先まで一気に塗ってしまうと必ずビビります。

あとは、アイロン操作の時に、水分が多すぎてジューと言うと、水蒸気爆発を起こしているので、髪の毛の中のタンパク質が破壊されてビビり毛になります。

酸性ストレートはトリートメントではない

酸性ストレートを、傷まない魔法の矯正剤って勘違いしている美容師がおおくて、トリートメントのようにベタベタ塗布して、ビビってしまうパターンが多いです。

実は、アルカリの薬剤とまた違った難しい性質の薬剤が酸性矯正なので、要取り扱い注意の矯正の薬剤です。

地毛の伸びた部分だけに「適した矯正剤」でかけること、

前回かけたストレート部分には、ダメージレベルに合わせて薬剤を選定すること、還元剤は使用しない時の方が多いです。

ビビり毛にはアルカリや酸性に関わらず、矯正剤は危険なので塗布しないこと。

この三つを面倒くさがらずに丁寧に丁寧に施術しないと、綺麗なストレートにはならないので注意が必要です。

札幌の美容室で失敗された方のお直しをしています。

縮毛矯正でお悩みの方は、是非ともご相談下さい。

こちらの渡邉先生が使用している理論と薬剤と、ほぼほぼ同じものを使用しています。

ステップボーンカットで失敗された方が後を絶たない

もう1年以上も前に投稿した記事 ⤵️

https://yasutanaka.com/2021/03/01/%e3%81%aa%e3%81%9c%e3%80%8c%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%83%e3%83%97%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%ab%e3%83%83%e3%83%88%e3%80%8d%e3%81%8c%e6%9c%80%e6%82%aa%e3%81%a8%e8%a8%80%e3%82%8f%e3%82%8c%e3%82%8b/

これを辿って、問合せが毎月のように来ます。

このステップボーンカットで失敗されたお客様のご相談にのって、修正をしていく中で、

逆に、僕がステップボーンカットできるくらいになってきました(笑) ←やらないですけど(笑)

悪口を言うつもりは100%無く、営業妨害をするつもりもありません。

これを良いと思っているステップボーンカットの美容師さんへは、全然否定しませんので、頑張って営業して頂ければと思います。

ただ、多くのお客様がステップボーンカットをされて、悩み悲しみ、困っている方が大勢いるという事も事実なので、

僕の立ち位置は、「困っている方のご相談にのり、解決へのアドバイスを提供し、キレイな髪に導いていく」というだけで、ステップボーンカットに打ち込んでいる美容師さんを敵視するものではありません。

何度も書いているように、僕の感想は

「なんで、この大切な箇所を、ボコボコに穴を空けて切ったんだろうね」

「どうして、長く残してある髪の毛先を、スカスカにしちゃったんだろうね」

この二つに限ります。

ステップボーンカットの特許文献をダウンロードをして読みましたが、そこには、こんなにボコボコに、ガタガタにカットするとは書いていません。

1980年代後半〜1990年前半にあった、フェザータッチな、スカスカに梳き切り、あっちこっちに跳ねてクシャクシャにする時代を思い出させてくれるようなカット+ボコボコに穴を空けたカットにしか思えません。

そして、専用のスタイリング剤を買わされて、「これを付けないと、まとまらない」と言われるとか…(お客様からの情報)

いやいや、例えスタイリング剤を付けなくても、乾かしただけで形にならないと本物じゃないのでは?って思うのですが…。

「正しいカットラインでカットをし、必要最低限の所を、必要最低限の量を減らす」

これが、1番お客様ご自身で手入れしやすい髪だと思います。

ステップボーンカットで困っているお客様は

「こんなにスカスカに穴だらけにされて、他の美容室へ行くのが恥ずかしい。だから、どうにかならないか、またステップボーンカットの美容室に行ってしまい、もっと酷くなる」

と仰っていましたが、ステップボーンカットの美容院は、リピート率が80%だと言っているようです。

全然恥ずかしいことはないので、困っている方はご連絡ください。

完全に直るまでには、半年〜1年はかかってしまいますが、一緒に頑張って手入れのしやすい美髪に戻していきましょう😊

札幌の方はこちらからお問合せ下さい
https://sapporo.yasutanaka.com/appointment

なにが表参道だか…

自分も表参道で仕事してた人間ですが(笑)
あ、これからもすると思いますが…。

札幌にてお会いした方の話です。

「表参道で働いていた美容師が札幌に来たという触れ込みのサロンがあったので行ってきたんです」

ため息混じりに話を始めました。

詳しく聞くと…

「私の注文は無視をして、『いや貴女はウフルだね』と言って、勝手に切られたんです」
ありえない。。。(汗;

好きでもない(むしろ嫌いな)スタイルにされてから、何ヶ月も憂うつな気分でいるそうです。

ラーメン屋に入って、味噌ラーメンを注文してるのに、いや君は「塩」だねって塩ラーメンを出されるより、もっと質が悪い。

札幌の人間を馬鹿にするなと言いたい。

表参道の名前を汚すような美容師は辞めてもらいたい。いや出身地関係なくハサミを置いて欲しい。

髪の手入れがしやすく、お客さんが毎朝鏡を見るのが楽しくなるように願いを込めて、僕ら美容師(理容師も)日々勉強をして練習をするのがプロじゃないのかって思うのです。技術先行じゃ駄目なんです。心先行じゃないとプロじゃないです。どんな有名店出身でも、そのうち札幌で仕事ができなくなります。

もう20数年も、この仕事をしている僕ですら、ファッション雑誌に目を通して流行のスタイルをチェックして、業界紙を買っては新しいアイデアはないかを探し、もっと良い技術はないのかを研究して、自分の部屋にはいつでも触れるように人形の頭を置いてある。練習をしている姿を後輩にはみせたくないので、部屋でこっそり練習し(笑)今でも勉強しているのは、自分のためじゃなく、明日に来てくれるだろうお客さんのためなんです。

確かに美容師のメッカと言われるくらい、「表参道・青山」というブランドは確立されてます。実際に働いてみて、やはり聖地だなと感じるくらい、そこで働く人達は、より良いものを求める探究心は半端無く強く、一生懸命プロ意識を持って働いています。

そんな日本のトップを目指して頑張っている美容師達を汚すような発言と行動は許されるものではありません。。。

プライドを履き違えずに「さすがだ!」と言われるように、精神から磨いて欲しいものです。

自分の技術力を高めるためじゃなく、個人売上をあげるためじゃなく、経歴を見せびらかすだけじゃなく、お客さんのなりたい理想の髪型になってもらうために、辛い下積みがあって練習をしているんだというのを忘れちゃだめです。
その方は、東京で修行した美容師には、金輪際お願いしないと言っていました。

スタイルを押し付ける

時々、よく耳にするのが、お客さんの要望を全く無視して美容師側のスタイルを押し付けて、なりたくもない髪型にしつつお金をもらってる美容師さん。

レストランに例えたら、メインは魚を食べたいって言うお客さんに、無理やりウンチク並べて肉を食べさすようなシェフ。

結局、まだ経験年数が少なくて、レパートリーが少なく、お客さんの要望の髪型ができない美容師さんが多いってことですね。

あとは、どこへ行っても注文と全く違う髪型になるから諦めてた…。というお客さん。
それも、美容師側の経験が少なくて、レパートリーが少なく、それしか創れない美容師さんが多いってことですね。

クライアントがどんな写真を持ってきても、その写真から一瞬にして3Dの展開図を頭のなかで広げて、それからそのお客さんの骨格、肩幅と背の高さとのバランスを計算し、眼と鼻と口の位置や頬骨の高さなどのバランスを計算し、似合わせるためのアレンジを考えます。そして頭の歪みや毛流、渦巻きの位置や左右の毛量のバランスを計算します。あとは普段の手入れ方法をどうされているのか聞いて、できるだけ手入れが簡単な削ぎ具合を計算します。

お客さんの理想の髪型を叶えてもらうために、たくさんの計算とセンスが必要です。

まだ経験が浅くてカットに自信の無い美容師さん。スタイリストになってしまったけど困っちゃいますよね。是非、たくさんのスタイルの本を見て、街でたくさんの髪型を見て、そして自分の頭の中で3Dに展開図を描けるようにして下さい。ワンレン・グラデーション・レイヤー・スクエアーの4つの組み合わせで、どんな髪型でも創れるようになります。メンズを極めたい美容師さんは、是非とも理容の技術の固定刈り、連続刈り、すくい刈りを練習して下さい。メンズは頭の歪みと渦の流れを計算しないと、バランスの悪いカットになってしまいますから。

そうすれば、押し付けなくても、誤魔化さなくても、お客さんの願いを叶える事ができるようになります。

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パーマが、とれる。

パーマで、とても大切なプロセスの一つに「中間水洗」というのがあります。

日本では当然やってると思っていたのですが、札幌ではまだまだやってるお店は少なく、表参道でも一部の勉強熱心なお店しかやっていない事に驚きました。

パーマをかけたことのある人ならお分かりかと思いますが、

パーマを巻いた後に薬剤を塗布しますね。

昔は以下のようでした。
1液(温める場合もあり)キャップを被せます。

中間リンス(スプレーでシュッシュッと)

2液を7分(キャップは外して空気にさらします)
2液を再度7分

ロッドを外します。

毛髪科学をキチンと勉強すると、これが駄目なのが分かります。
髪に負担をかけてしまい、危険ですし、薬剤が正しく作用してくれませんから、持ちが悪く直ぐに取れてしまいます。

残念な事に、殆んどの美容室が、この昔ながらの方法でパーマをかけています。

正しくは
1液(温める場合もあり)キャップを被せます

お湯で1液を全て綺麗に流します。

【理由は】
1,健康な髪は弱酸性ですが、1液はアルカリ剤です。酸性リンスをスプレーでシュッシュッとかけたぐらいでは、酸性に傾きませんし、2液は酸性ですが、アルカリ剤が残っている髪に2液の酸性をかけたところで、効力が弱まってしまいます。きちんとお湯でアルカリ剤を流してから、次の酸性リンス→2液をかけて、正しい効果が発揮されます。

2,アルカリ剤(パーマ液、カラー剤)が髪を痛める原因です。1液のアルカリ剤を髪の毛に残したまま、2液をかけるということは、1液の髪の内部にダメージの原因を残したまま閉じ込めてしまうということです。中間リンスをかけただけで、アルカリ剤の存在自体が消滅するわけではありません。きちんとお湯でアルカリ剤を流して、ダメージの原因となる物質を流してあげてから、2液を塗布してあげることによって、ただしいかかりとダメージレスのパーマに繋がります。

※オーストラリアの美容学校で毛髪科学を勉強しました。日本の専門学校では教わらなかった事も勉強し、その時にパーマの中間水洗について習いました。「どうして日本のパーマ液は中間水洗しなくていいのだろう」そう疑問に思った僕は、日本のパーマ液のメーカーに問い合わせをして、行き着いたところが日本パーマ液工業協会というところでした。

そこでは、「日本でもパーマ液は中間水洗をしているというを前提に、パーマ液は製造されていますから、日本でも海外でも中間水洗はしなくてはいけないのです」と。。。

でも、「どうして日本の美容室で、正しくパーマ液を使用しているお店は無いのですか?」と聞いた所、「やはり先輩から口頭で教わるだけで、毛髪科学として勉強しているお店が少ないからでしょう。ロッドを付けたまま水洗するというのは、お客さんに負担をかけるから宜しくないなどの理由が推測されます」

ダメージに繋がったり、直ぐにとれたりした方が、もっと駄目じゃないですか。

もっと毛髪科学を勉強すると、パーマを巻くときに必要な処理剤の成分、中間水洗の時に必要なタンパク質、後処理に必要な収斂作用のある処理剤、そのような作業工程が必須になってくるとわかるのです。

きちんとパーマをかけると、指ざわりが自然で、パーマをかける前よりも髪質が良くなったようにさえ感じるのです。

カット講習

カット講習へ行くというと「教えに行くんですか?」(笑)とか「今更なんで?」とか言われるのですが、2〜3年に一度は参加するようにしています。

人間の身体というのは、無意識のうちに楽な体勢へと動いてしまうもので、それがクセとなって、無駄な動きが多くなり誤差が生じてくるんです。

立つ位置が5度ズレるだけで、カットの誤差が3ミリ〜5ミリ出て、その積み重ねで仕上がりに溜まりができたり、収まりが悪くなったりするんです、そしてそれに気づいて再びクシを入れて修正しなくてはならず、たった数度の立ち位置で修正という手間が増えてしまう。

その自分のクセの軌道修正に、お金を払って講習会へ行くんです。他人の仕事は細部まで見えますが、自分の仕事って見えないし、ある程度の年齢を超えると、誰も注意なんてしてくれません。講師の先生はお金をもらっている以上、気が付いたところは注意してくれますから(笑)

今回も、「この部分を削ると、もっと収まりがよくなりますよ」って先生が2ミリ修正してくれただけで、本当に収まりが良くなるんです。っていうか、何でここが2ミリも誤差が出たんだろうって考えると、「そっかー自分の体勢が楽な方に身体が動いていたからか〜」と分かるんです。

こうやって勉強するのは、上手になりたいからではなく、明日のお客さんに「手入れが楽だった、思った通りのスタイルに仕上がった」って喜んでもらいたいって思いがあるからです。

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訪問理美容

某病院から訪問理美容の依頼が来て、でも往復3時間の距離だし、僕は車を所持していないので出張で行ける範囲は地下鉄沿線かJR沿線の駅から近い所に限られています。大手の専門業者の方が安くて敏速だし設備もしっかりしてるので、そちらをお勧めしたのですが、看護師さんから「どうしても」とお願いをされて、断る理由もなくなり、行って来ました(笑)

そこは精神科内科の病院で、依頼人は70歳過ぎたお爺ちゃん、
カット顔そり白髪染めのオーダーで、座ってる間も前屈みでどこかに捕まってなくてはならず、施術中もヨダレが垂れている状態で2時間も座ってられるのかな?って状態。

(15年以上も前だけど別の精神病院の閉鎖病棟へ1年くらいボランティアしてたことがあるので、そういうのは慣れています。)

全部終了してお爺ちゃんは病室へ戻り、僕は掃除をしてカバンに荷物を詰め、帰ろうとしたところ、無精髭も無くなり、黒々とした髪でさっぱりしたお爺ちゃんが戻ってきて。

「俺が玄関まで荷物運んでやっから」

お爺ちゃんなりの感謝の表現だったのでしょう。喜んでその好意に甘んじる事にしました。

最初にお会いした時は、片足引きづりヨタヨタ歩いていたお爺ちゃんが、元気にガラガラを引っ張りながら、どんどん先へ進んで行き、玄関どころかバスの中まで乗り込んで、カバンを運んでくれました。

最後に、滑舌が悪いながらも「またお願いします」って笑顔で言ってくれて、僕はお爺ちゃんの手を取って握手をし、バスに乗り込みました。

自宅に戻って父親にその話をしたら、そこって僕の実のお爺ちゃんが入院して亡くなった病院で、今年27回忌だったそうです。

本当に最初はお断りしてたんです。僕がいかなくても、お爺ちゃんの顔剃りや白髪染めなんて理容組合に電話して近所の床屋さんにやってもらえば近くて冬の雪の中でも来てくれるし…なんて驕りがあったんですよ。

でも、反省しましたね。自分の所に依頼が来るという時点で、意味があるんだって。仕事って結果だけみれば他の誰でもできるし、僕より上手なベテラン理容師さんはいっぱいいるけど、そのカットしている間の手の動き、呼吸、語りかける声、触れる手の柔らかさ、笑顔などなど、もしかしたら僕じゃなければ駄目な理由が1個でもあるのかもしれないんだって、だから帰りがけに身体の不自由なお爺ちゃんが喜んで荷物を持ってくれたんだって。

自分の心が洗われた1日でした。

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施術。

日本語では美容師や理容師が技術をすることを「施術」っていうんです。

「施す(ほどこす)」って字を使います。

施すを辞書で引くと「恵みを与える」って意味なんですよ。

僕は無宗教ですが、仏教でいうお布施というのは、お金を与えるって意味じゃないんです。

お金がたくさんあるひとはお金を、

学がある人は学問を、

技術がある人は技術を、

なにもないひとは優しさを…

多くの人に与えるって意味なんです。

僕らは技術屋だけではないので、技術と優しさを多くの人に与えることができるように、日々精進。

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トリートメントって長持ちしなくちゃ

美容室のサイドメニューでは、付きもののトリートメント。

実は、数年前までは、このトリートメントのメニューを断っていました(笑)まっ、海外で働いていて良いトリートメント剤に出会えなかったのもあったかもしれないけれど、理由は「持ちがわるい」。

数日で効果が消えてしまうようなトリートメントに、2000円も3000円もお金を取ることはできないという理由からでした。それなら、良質のトリートメント剤を3000円で購入して、自宅で自分でやったほうが良いからと。

しかし、知り合いの六本木や代官山で働いている美容師さんからの情報で、効果が長持ちするトリートメントがあるんだよ〜って2年前から聞いていました。

さっそくリサーチをして調べてみたところ、これはかなり良さそう。その知り合いの美容室のお客さんの声では、最低でも効果は10日は続くし長い人では3週間以上も持続した人もいたとか(髪の状態で個人差あります。ご使用のシャンプー剤でも効果に差がでます)。

ヘアカラーをしているお客さんで、色味が落ちてきて黄色っぽくなってきた髪にも、トリートメント剤と一緒にマニキュアも混ぜて色味補正ができるのもすぐれもの(色はあくまでも補正なのでカラーチェンジが目的ではありません)。

メンズでも艶サラが復活します。

他のトリートメントの大きな違いは、遠赤外フィルムを使用したアイロンを使って成分を髪の中心部まで入れて閉じ込めちゃうところにあるのです。

このトリートメント、東京だとショートでも5000円超えちゃうメニューなのですが、ここは札幌なので半額程度でご奉仕です!